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山口地方裁判所 昭和53年(行ウ)3号 判決 1983年2月24日

原告 高橋源次

被告 宇部税務署長

代理人 佐藤拓 中野紀従 清水龍三 森義則 ほか三名

主文

原告の請求をいずれも棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  請求の趣旨

1  被告が原告に対し昭和五二年三月三一日付でした原告の昭和四九年分及び昭和五〇年分所得税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分(但し昭和五〇年分については異議申立に対する決定により一部取消後のもの)を取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

二  請求の趣旨に対する答弁

主文同旨

第二当事者の主張

一  請求原因

1  原告は肩書住居地において配管業を営む者であるが、昭和四九、五〇年分の各所得税につき被告に確定申告したところ、被告は右の各年分につき更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件各更正処分等」という)をした。そこで原告は本件各更正処分等を不服として被告に異議申立したが、昭和四九年分については異議申立が棄却され、昭和五〇年分については一部のみを取消す異議決定がなされたので、更に国税不服審判所長に対し審査請求したところ、同所長はこれを棄却する旨の裁決をした(確定申告から審査請求に対する裁決までの経過及びその各内容は別表一、二のとおりである)。

2  しかしながら、本件各更正処分等(但し昭和五〇年分については異議申立に対する決定により一部取消後のもの。以下同じ。)には、

(一) 国税通則法二四条、所得税法一五六条に違反し、調査に基づかずかつ推計の必要性及び合理性がないのに推計により本件各更正処分等をなした違法

(二) 原告の実額計算による昭和四九年分の事業所得金額は別表七の<1>欄記載のとおり二四九万五六七五円であり、昭和五〇年分の事業所得金額は、売上(収入)金額実額五五七四万六〇一九円に原告の昭和四九年分の所得率(売上(収入)金額に対する所得金額(売上金額から必要経費を控除したもの)の割合)八・二パーセントを乗じて計算した四五七万一一七三円であるにかかわらず、いずれも右を超えて過大に認定した違法(なお原告は昭和五七年七月二九日付準備書面で昭和四九年分の所得が一八八万〇三五四円であり、その所得率は六・四パーセントであるから、昭和五〇年分の所得は三五六万七七四五円となる旨主張するが、右は明らかな計算間違いと思われる)

があるので、その取消を求める。

二  請求原因に対する認否

請求原因1の事実は認めるが、同2の主張は争う。

三  被告の主張

1  課税の経緯は次のとおりであり、本件各更正処分等に国税通則法二四条、所得税法一五六条に反する違法は存しない。

(一) 被告の調査係官は、昭和五一年六月一六日以降再三にわたり原告の昭和四九、五〇年分の所得税の調査のため原告方に赴き、調査に協力し関係帳簿書類の提示をするよう説得したが、原告はこれに応じなかつた。このため被告の調査係官は、昭和五一年一一月一七日以降、原告の売上(収入)金額を把握のため原告の取引先を調査していたところ、同年一二月七日になつて原告から、昭和五〇年分についてのみ収支計算書及び領収書等の提示があつた。しかしながら、右収支計算書は売上(収入)金につき約一二〇〇万円もの多額の記載もれがあり、また領収書等は一部に過ぎないうえ金額を改ざんしたものがある等、到底信用できるものではなかつた。

(二) 被告は、右のような事情で原告の所得を実額で把握することが不可能であつたため、原告と同業種で規模業態が同じような業者(以下「類似同業者」という)四名を抽出し、それら業者の平均的な所得率を求め、これを原告の取引先等を調査して把握した原告の売上金額に乗じて原告の事業所得金額を推計計算し、本件各更正処分等をなした。

2  原告の各係争年分における事業所得の金額は、別表三のとおり昭和四九年分が五九〇万七二六三円、昭和五〇年分が八一八万四八八六円であるから、本件各更正処分等には原告の総所得金額を過大に認定した違法はない。

3  原告は昭和四九年分の事業所得金額につき、別表七の<1>欄のとおり経費実額による主張をするが、被告は本件の課税処分をなすに当り、原告の昭和四九年分の収入金を調査把握するについて、原告から協力を得られないなかで、取引先の反面調査という方法によりその額を把握したものであるところ、このような状況下における右把握方法では、なお相当の捕そくもれのあることが容易に推測されるから、仮に一部経費の実額が立証されたとしても、真実の所得額が被告の認定した推計所得額よりも過少であることまでが即立証されたこととはならない。即ち、原告の主張する各種経費、例えば労務費・外注工事費等が存在するというのであれば、その支出に見合う工事先、収入金額等が明らかにされ、しかも、右工事先等が被告の前記反面調査において把握したものと一致して初めて原告の主張する如き経費の実額計算を基礎とした所得金額の算定が正当性を帯びてくるのである。

4  仮に右の点はさておき、昭和四九年分の事業所得金額につき、別表七の<1>欄の経費実額による原告の主張額を踏まえ、これを検討したところによつても、同表の<2>欄及び被告の予備的主張額の計算根拠欄記載のとおりその事業所得金額は六〇三万四〇五四円となるし、昭和五〇年分の事業所得金額についても、原告の主張に従つて原告の昭和四九年分の所得率に基づき計算したところでも、なお別表一三のとおり九九六万八七五九円となる。

従つて、各係争年分につき右の範囲内でなされた本件各更正処分等には、原告の総所得金額を過大に認定した違法は存しない。

四  被告の主張に対する認否

1  被告の主張1の冒頭の主張は争い、(一)のうち、被告の調査係官が昭和五一年六月一六日及びその以降に調査と称し原告方を訪問したこと及び原告の取引先を反面調査したこと、原告が昭和五一年一二月七日昭和五〇年分の収支計算書を被告に提示したこと、(二)のうち被告が推計により本件各更正処分等をしたことは認めるが、その余は否認する。

2  同2のうち、被告が取引先を調査して把握した原告の売上(収入)金が昭和四九年分・三三二三万七九七五円、昭和五〇年分・五五七四万六〇一九円であり、その明細が別表四のとおりであること、事業専従者控除額が昭和四九年分・二七万五〇〇〇円、昭和五〇年分・四〇万円であることは認めるが、その余は争う。

3  同3、4は争う。

第三証拠<略>

理由

一  請求原因1の事実は、当事者間に争いがない。

二  本件各更正処分等に至る経緯について

被告が本件各更正処分等を推計によりなしたことは、当事者間に争いがないところ、原告は、本件各更正処分等が調査に基づかず、かつ推計の必要性がないのに推計によりなされた旨主張するので、検討する。

被告の調査係官が昭和五一年六月一六日及びその以降に原告方を訪問したこと及び原告の取引先の調査をしたこと、原告が昭和五一年一二月七日被告に昭和五〇年分の収支計算書を提示したことは当事者間に争いがなく、右争いのない事実、<証拠略>を総合すると、調査の開始から本件各更正処分等に至つた経緯は次のとおりと認められ、原告本人尋問の結果中これに反する部分はにわかに措信できず、他にこれを覆すに足りる証拠はない。

1  被告は、原告の昭和四九、五〇年分の所得税につき、その確定申告書に所得金額のみが記載され、売上(収入)金額や必要経費等の記載がないため、その計算根拠が不明であるうえ、その申告所得金額が、原告の取引先である株式会社岡村商店(以下「岡村商店」という)の法人税調査により把握し得た原告の岡村商店に対する売上(収入)金からみて、申告所得金額が過少であると疑われたことから、調査を開始することとした。

2  被告の調査係官は、昭和五一年六月一六日、原告方に赴き、原告の昭和四九、五〇年分の所得税につき、収入金額に比し申告額が過少であり適法な申告であるかどうか確認したい旨の調査の理由を告げるとともに、調査への協力及び関係帳簿書類の提示を求めたが、原告及び原告の同意を得ているとして被告調査係官の退席要請にもかかわらず同席を続けた宇部民主商工会の田中両名は、岡村商店の法人税調査により原告は多大の損害を蒙つたのでその件についての決着がつかない限り調査させない、領収書及び請求書は段ボール箱に入れ保存してあるが、確定申告は収支計算せずに適当に申告した、収支計算は右領収書に基づいてこれからする等述べるのみで調査に協力せず、関係帳簿書類の提示の要求にも応じなかつた。

3  その後被告の調査係官は同年七月五日にも原告宅を調査のため訪問したが、原告が不在であり、同月七日に訪問した際は、原告及び前記田中が居合わせたものの、右両名は又しても岡村商店の件をもちだし調査に全く協力しなかつた。そこで被告の調査係官は期間を置くこととし、同年一一月中旬ころ原告方に赴いたところ、原告及び前記田中が二・三日中に収支計算できる旨述べたので、その指定の日に再び原告方に赴いたが、原告は不在で、収支計算書等の資料の提示も得られなかつた。

4  右のような経過で原告から資料等の提示がないため、被告の調査係官は原告の売上(収入)金を把握のため原告の取引先の反面調査を開始したところ、同年一二月七日になつて原告から昭和五〇年分の収支計算書と領収書の一部の提示があつたが、昭和四九年分については資料があまり残つていないとして書類等の提示は一切得られなかつた。

5  被告の調査係官は、原告から提示のあつた昭和五〇年分の収支計算書及び領収書の一部につき検討したが、その結果は次のとおりであり、到底信用できるものではなかつた。

(一)  被告が調査により把握した別表四の昭和五〇年分の取引先及び売上(収入)金額と比較し、原告の提示した収支計算書には多数の取引先が記載されておらず、金額的にも一二二二万三七一九円もの売上(収入)金が記載もれとなつていた。

(二)  減価償却資産に該当するものを材料費として経費中に計上していた。

(三)  昭和四九年分の材料費として計上すべきものを昭和五〇年分の材料費として計上していた。

(四)  原告の提示した人件費についての領収書中には、金額等を書き加えるなどの改ざんしたものがあつた。

6  被告の調査係官は、昭和五二年三月初めころ原告に対し右検討の結果を説明し、原告提示の資料に基づく実額計算はできない旨告げたが、原告は、一部領収書については金額が間違つていることを認め、あるいは材料費につき現場で現金で購入した分の領収書がもれている等述べるものの、右検討結果に対する明確な反論や釈明はなく、新たな資料等の提出やその申出もなかつた。

右認定事実によれば、原告は帳簿を備付けていなかつたことが明らかであるうえ、調査に非協力で、昭和四九年分については領収書等の原始記録はほとんど残つていないとして全く資料を提出せず、昭和五〇年分については収支計算書及び領収書等の一部を提示したのみで、しかも右収支計算書及び領収書等も記載もれや金額の改ざん等のため到底信用できるものではなかつたのであるから、被告が推計により本件各更正処分等をなしたことはもとより相当であるし、本件各更正処分等が調査に基づかないでなされたものでないことも明らかである。

三  原告の各係争年分の総所得金額について

1  推計の合理性

被告は、原告の各係争年分における所得金額を、類似同業者の平均所得率に基づいて推計計算する旨本訴においても主張するので、まずその合理性を検討する。

原告が個人で配管業を営む者であることは前記のとおり当事者間に争いがなく、<証拠略>を総合すると、原告は別表一四の原告欄記載のような機械等を保有し、使用人(常傭及び臨時雇い)を使つて、かんがい工事、ポンプの据え付け、浄化槽工事、水道衛生工事、ボイラー取付配管工事、温泉のビニールパイプ配管工事、冷暖房配管工事、電気ケーブル埋設工事等を行なつていたもので、その工事現場のほとんどが宇部市外で遠い所では現場まで二時間以上を要するものがあつたこと、またその請負形態はほとんどが下請ないし孫請であつたこと、なお、原告は、水道事業を管理している地方公共団体から水道工事の指名業者としての指定を受けてはいないが、指定業者の名義を借り、あるいは指定業者の下請という形態で、前記のとおり水道衛生工事も実際には行なつていたことが認められる(但し原告本人尋問の結果中水道工事をしていなかつたとの部分は右認定に照らし措信できない)ところ、<証拠略>を総合すると、被告は、配管工事を営む個人事業者の中から、<1>青色申告をしている者であること、<2>売上(収入)金額がおおむね原告の二分の一以上二倍以下の者であること、<3>昭和四九、五〇年を通じて継続して原告と同業種を営んでいる者であること、<4>労務費、外注費の支払のある者であること、<5>原告と類似の機械器具を所有している者であること、<6>更正処分等に対する異議申立、審査請求ないし訴訟が審理継続中の者でないこと、及び右に対する不服申立期間ないし出訴期間が経過してない者でないこと等の条件のもとに類似同業者を抽出することとしたが、被告の管内に該当する同業者がいなかつたため、近接の山口税務署、下関税務署に協力を求めたがなお該当する同業者が二名しかいなかつたこと、そこで被告は広島国税局に協力を求め、その送付を受けた資料から右条件に該当する同業者を抽出し、更に原告との類似性を一層高めるため工事内容等について電話により直接確認のうえ、別表五、六掲記のA、B、C、D四名の類似同業者を抽出したこと、ちなみに、Aは広島県福山市の業者で業種は水道工事、Bは岡山市の業者で業種は管工事、Cは山口市の業者で業種は水道工事、Dは山口県下関市の業者で業種は配管工事と各されていたが、被告は、A、Cにおいても水道衛生工事ばかりでなくかんがい工事や浄化槽工事等もしていたし、B、Dにおいてもかんがい工事や浄化槽工事等ばかりではなく水道衛生工事もしていたことを、前記のとおり右四名に電話により直接確認していたし、右四名の確定申告書によれば、別表一四の各該当欄のとおり原告保有の機械と同種の機械類を所有していること、被告は右四名の類似同業者の所得率を求めるにあたつて、原告には雑収入、利子割引料、地代家賃、貸倒金がないと判断されたことから、前記四名中これらのある者についてはこれをいずれも控除し、また原告には原告と現場で一緒に稼働する専従者はいなかつたため、前記四名の類似同業者中現場で一緒に働いている専従者がいる者についてはその者の専従者給与を給料賃金に加算し、その他減価償却の方法につき定率法で行なつている者については定額法にやり直す等、所要の修正を右四名の類似同業者の確定申告書について行ない、その結果別表五、六のとおりとなつた右四名の類似同業者の売上(収入)金額及びこれから必要経費を控除した所得金額から、同表のとおり右各同業者の所得率及び平均所得率を算出したことが認められ、右によれば、被告が類似同業者としてA、B、C、Dの四名を抽出した基準、方法は合理的なものと認めることができ、右四名の平均所得率により原告の所得金額を推計計算することは相当というべきである。

もつとも、前記認定事実によれば、原告は地方公共団体から水道工事の指名業者としての指定を受けていないことが認められるが、この点については、既に前記のとおり実際には原告も名義を借りる等して水道衛生工事を行なつているのであつて、右の点から、原告の事業内容がAないしDと大きく異なつているとは到底言い得ないところである。同じく前記認定事実によれば、原告の工事現場のほとんどが宇部市外であり、往復に多大の時間を要するものがあることや、その請負形態のほとんどが下請ないし孫請であることが認められるが、被告の抽出した類似同業者においてもいずれもかんがい工事等も行なつていることは前記認定のとおりであり、その工事現場が市街地の格別条件の良い場所のみであるとは考えられないし、原告や被告の抽出した類似同業者程度の規模の業者の場合、むしろ施主から直接受注することは少なく下請ないし孫請形態が通常とも考えられるところであつて、原告とAないしDとの間に有意的な差異があるとは認められない。また仮に右の点につき原告とAないしDとの間に差異があるとしても、原告主張の程度の差異は類似同業者の間に通常存在する程度の営業条件の差異といつてよく、類似同業者の平均値の中に捨象されるものである。なお被告は類似同業者を符号でのみ表示し、その氏名を明らかにしないが、これは被告が所得税法二四三条、国家公務員法一〇〇条一項により守秘義務を負つているがために外ならず、右一事から類似同業者の選定が恣意的なものであるとすることのできないことはもとよりである。以上のとおり、右事由はいずれも前記認定を覆すに足りないし、他に前記認定を左右するに足りる証拠もない。

2  原告の事業所得金額

被告が原告の取引先を調査して把握した原告の売上(収入)金が、昭和四九年分につき三三二三万七九七五円、昭和五〇年分につき五五七四万六〇一九円であることは、当事者間に争いがない。

前記のとおり、被告の抽出した類似同業者A、B、C、Dの各係争年分の所得率及び右四名の平均所得率は別表五、六のとおりであり、右平均所得率を前記売上(収入)金に乗じると別表三のとおり昭和四九年分の所得金額が六一八万二二六三円、昭和五〇年分の所得金額が八五八万四八八六円と算出されるところ、所得税法五七条三項による原告の事業専従者控除額が、昭和四九年分につき二七万五〇〇〇円、昭和五〇年分につき四〇万円であることは当事者間に争いがないので別表三のとおり、これを控除した左記金額が原告の事業所得金額と認められる。

昭和四九年分 五九〇万七二六三円

昭和五〇年分 八一八万四八八六円

3  原告の実額計算に基づく主張の当否

原告は、昭和四九年分の実額計算による原告の事業所得金額は、別表七の<1>欄記載のとおり二四九万五六七五円であるし、昭和五〇年分の事業所得金額は、右実額計算による原告の昭和四九年分の所得率により推計するのが合理的であり、これを超える前記認定の事業所得金額は過大認定である旨主張する。

そこで検討するに、原告が実額計算の際売上(収入)金として主張する三三七八万七九七五円は、前記当事者間に争いがない被告が取引先を調査して把握し得た売上(収入)金三三二三万七九七五円に、<証拠略>により認められる、国税不服審判所の調査により判明した売上(収入)金の捕そくもれ金五五万円を加算したものであることは、弁論の全趣旨より明らかなところ、被告の取引先等の反面調査により捕そくし得る売上(収入)金の範囲には自ずと限界があると思料されること、現に右のとおり後日捕そくもれのあつたことが判明していることに鑑みれば、実際には原告の売上(収入)金につきなお相当の捕そくもれがあることも充分に予想されるところであるから、仮に原告においてその主張の経費額を立証したとしても、それだけでは、原告の真実の所得額が前記認定の推計による所得額よりも過少であることまでが立証されたこととはならないと言うべきである。

即ち、原告において、売上(収入)金に捕そくもれがなく、原告主張の売上(収入)額が真実の売上(収入)額に合致することをも立証するか、あるいは、原告主張の経費が原告主張の売上(収入)金に対応するものであることをも立証して始めて、推計による所得額が過大認定であり合理性を欠くことの反証たり得るのである。

しかしながら、右の点については本件全証拠によるも何ら立証のないところであり、そうすると、原告の前記実額計算に基づく主張はその余について判断するまでもなく有効な反証たり得ず、失当であることが明らかである。

四  まとめ

以上の次第で、被告がなした本件各更正処分等には国税通則法二四条、所得税法一五六条に違反する点や、所得を過大に認定した違法はなく、適法であることが明らかである。

よつて、原告の本訴請求をいずれも棄却し、訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 西岡宜兄 紙浦健二 上田昭典)

別表<略>

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